梅雨は気温と湿度の上昇にともない、汗・皮脂の分泌が増える季節です。ベタつきを感じる時期は肌表面の保湿バリア機能の低下に気づきにくく、さらにエアコンの使用が加わり「隠れ乾燥」に陥ることに…。
また「新しい生活様式」によりマスク着用が日常化し、マスクによる肌トラブルが増えています。
そこで今回は、美容講師の丸山美咲先生に監修いただき、マスクによる肌荒れ対策と梅雨の美肌ケアについてご紹介します。
■ マスクによる肌荒れの原因は?
摩擦
肌がマスクと擦れると、刺激で肌のバリア機能が低下し、肌荒れや乾燥の原因になります。
2. 蒸れ
マスク内は高温多湿で、雑菌が繁殖しやすい環境です。
3. 乾燥
蒸れているから水分はたっぷりあると思ったら要注意!マスクを外すと肌の水分が一気に蒸発し、乾燥しやすくなります。
このように、マスクを繰り返し着脱することによって温度・湿度差が発生し、肌を健康に保つバリア機能や保湿機能が乱れることが、肌荒れや乾燥の原因となります。
■ マスクの選び方
化学繊維は肌表面で静電気を起こしやすいため、肌荒れに繋がります。
マスクの繊維で肌が荒れやすい人は、不織布やポリウレタンマスクなどの化学繊維マスクより、綿やシルク素材の布製マスクがおすすめです。
顔にフィットするように作られた立体的な形のものや、縫い目など肌に当たる刺激が少ないものを選びましょう。
■ マスク肌荒れを防ぐお手入れ方法
日々のスキンケアのポイントは、「摩擦をしない」「保湿をしっかり」することです。
マスク内で雑菌が繁殖した場合は顔にも付着していますので、クレンジングと洗顔のダブル洗顔で、こすり過ぎないようにやさしく丁寧に洗いましょう。洗顔は泡立てネットなどでしっかりと泡立てて、肌に刺激を与えないのがポイントです。
洗顔後は、化粧水で水分を補い、クリームで水分を閉じ込める保湿ケアで、肌本来のうるおいを保つバリア機能を整えます。敏感肌の方は低刺激で安全にこだわったスキンケア品を選びましょう。
また、日中のマスク着脱による乾燥対策には、化粧水をミストスプレーボトルに入れて持ち歩くのがオススメ!マスクを外したときにつけることで、乾燥から肌を守ってくれます。
■ マスク着用時もUVケアを
マスクをしていると顔が隠れてつい油断しがちになりますが、マスクは日焼け防止アイテムではないので、紫外線対策は必須です。
特に肌荒れや乾燥状態の肌は、紫外線のダメージを受けやすい状態にあります。UVカット効果のある化粧下地や日焼け止めを使用して、紫外線からしっかり肌を守りましょう。
■ 肌に嬉しい栄養素と食材
美肌を保つには外からのケアも大切ですが、内側からのケアも大切です。おすすめの栄養素と食材をご紹介します。
<ビタミンB2・B6>
皮膚の新陳代謝を高めてくれる。
B2→納豆、卵、大豆、玄米、緑黄色野菜 など
B6→玄米、魚介類、種実類、にんにく など
<亜鉛>
細胞の再生に必要で、皮膚を正常に保つ。
牡蠣、魚介類、アーモンド、納豆、玄米 など
<食物繊維>
腸内環境を整える。善玉菌はお肌に嬉しいビタミンB群を作ります。
玄米、大豆、野菜、海藻 など
<ファイトケミカル>
紫外線による活性酸素の影響から守る。
野菜、果物、豆類、芋類、海藻 など
<ビタミンA>
皮膚のバリア機能を維持する働きがある。活性酸素を抑制する効果も。
スピルリナ、にんじん、小松菜、春菊 など
<ビタミンC>
コラーゲン合成を促進する。またメラニン色素の生成を抑制し、できてしまった色素を還元する働きも。
小松菜、れんこん、ブロッコリー、ピーマン、じゃがいも、レモン、アセロラ など
<ビタミンE>
酸化防止作用があり、ビタミンCと一緒に取ることで相乗効果が期待できる。
ごま、ナッツ、玄米、大豆、かぼちゃ など
–ポイント-
抗酸化ビタミンの代表「ビタミンA・C・E(エース)」は、一緒に取ることでパワーが増し、肌の新陳代謝を活性化し、若さと健康を保つことに役立ちます。
これから夏に向けて、気温や湿度はますます上昇しますが、マスク着用は引き続き欠かせません。肌のお手入れや栄養を上手に取り入れて、生活環境に対応していきましょう。
それでは、今回のレシピをご紹介します。
■オクラのカレー
(1人分)エネルギー169kcal、塩分2.1g
–材料(4人分)-
- オクラ:1パック
- グルテンバーガー*:小1缶
- 玉ねぎ:200g
- 生姜:10g
- にんにく:5g
- トマトジュース:200ml
- カレー粉:大さじ2
- 油:大さじ1
- 塩:小さじ1
- 醤油:大さじ1/2
*グルテンバーガーとは、小麦と大豆をひき肉状に加工したものです。
–作り方-
- オクラは2~3個になるように、大きめの斜め切りにします。玉ねぎ、生姜、にんにくはみじん切りにします。
- 鍋に油とにんにくを入れ、温まったら玉ねぎと生姜を焦がさないようによく炒めます。塩、カレー粉を加えます。
- グルテンバーガーを加えて炒め、トマトジュースとオクラを入れます。沸騰したら弱火で5~7分煮て、醤油を加えて味を調えます。
–ポイント-
今が旬のオクラには、ビタミンAの前駆体であるβカロテンが豊富で、皮膚や粘膜の健康維持、活性酸素を抑制する効果があります。オクラのぬめり成分は水溶性食物繊維で、整腸作用やコレステロール排泄作用があります。
トマトは抗酸化力のあるリコピン、コラーゲン合成を促進するビタミンC、肌荒れを防ぐビオチンなど、栄養成分が豊富です。