
最近、なんとなく疲れやすかったり、息切れやめまいを感じたことはありませんか?
そんな時、原因のひとつに「鉄分不足」があるかもしれません。
鉄は、私たちの体にとって大切な微量ミネラルのひとつで、酸素を全身に届ける役割を担っています。
無理なダイエットや栄養の偏りで体内の鉄が不足すると、酸素が十分に運ばれず、エネルギーも作りにくくなるため、疲れや体調の変化があらわれることがあります。
■ 鉄は「酸素」と「エネルギー」のお助け役

●鉄の働き①
🩸全身の細胞や組織に酸素を届ける
鉄は、赤血球の中にある「ヘモグロビン」という成分の材料になります。
ヘモグロビンは酸素と結びつきやすく、血液の流れにのって肺から酸素を受け取り、全身の細胞へと運ぶ役割を担っています。
そのため、不足すると鉄欠乏性貧血を起こし、疲労感、頭痛、動悸、息切れ、食欲不振などを起こすことがあります。
●鉄の働き②
🏃️筋肉が酸素を取り込むのを助ける
鉄は「ミオグロビン」というたんぱく質の構成成分として、筋肉の中にも存在しています。
ミオグロビンは血液中から筋肉に酸素を取り込むために働き、運動や活動時に必要な酸素供給をサポートします。
●鉄の働き③
🔥エネルギーの産生や代謝に関与
体内にある鉄のうち、約0.3%は酵素の材料として使われており、鉄を含む酵素はエネルギーの産生や代謝に欠かせない働きをしています。
そのため、鉄が不足すると細胞の働きが低下し、エネルギーの産生も滞りがちに。さらに、酸素が十分に運ばれず、細胞が代謝をスムーズに行えなくなります。
■ 鉄は体の中でくり返し使われている

体内にある鉄の約70%は、赤血球の「ヘモグロビン」や、筋肉の中にある「ミオグロビン」といった、酸素を運ぶ成分の材料になっています。
赤血球が古くなると、体はその中にある鉄を回収して、骨髄へと送り、新しい赤血球を作るときにまた使います。
こうした鉄は「機能鉄」と呼ばれ、体の働きに直接関わる大切な鉄です。
残りの約30%は「貯蔵鉄」として、肝臓や骨髄、脾臓、筋肉などに蓄えられており、必要に応じて機能鉄を補う形で使われます。
こうして鉄は体内で何度も再利用されているのです。
■ 鉄の必要量は?知っておきたい目安とポイント

体内には3~5gの鉄が存在しますが、吸収や排泄により出入りする量は1日あたりわずか1mg程度です。
そのため、毎日の食事でこの分を補えれば、欠乏にはつながりません。
【鉄の1日の推奨摂取量】
(日本人の食事摂取基準2025年版より)
🙍♂️️成人男性:7.0~7.5mg
🙍♀️️成人女性:10.0~10.5mg
※月経のない女性は6.0mg程度
食事からとった鉄のうち、実際に体に吸収されるのは約10%程度。
これは、必要以上に鉄が体にたまらないように調整されているからです。
そのため、普段の食事で鉄をとりすぎる心配はほとんどありません。
しかし、サプリメントなどで過剰に鉄をとると、胃腸の調子が悪くなったり、まれに鉄が体にたまりすぎる「鉄沈着症」を引き起こすことがあるので注意が必要です。
特に女性は、月経によって鉄を多く失いやすいので、普段からしっかりと鉄を意識してとることが大切です。
■ 鉄の効率の良いとり方は?

鉄を不足させないためには、鉄分の豊富な食品を、吸収率を高めるものと一緒に食べましょう。
✅鉄分の多い食品
🥬植物性:大豆製品、とうもろこし、じゃがいも、小松菜、水菜、きくらげ など
🍖動物性:牛赤身肉、レバー、マグロ、カツオ、アサリ、牡蠣 など
💡 肉類は、腸内環境の悪化や病気のリスクを高める可能性があります。取りすぎに気をつけましょう。
✅鉄の吸収を高める成分
たんぱく質…吸収率を高めると同時に、鉄とともにヘモグロビンをつくる。
ビタミンC…鉄を吸収しやすい形に変えて吸収を高める。体内での鉄の利用を促す。
ビタミンB12、葉酸…造血のビタミンともよばれ、赤血球の生成に関わる。
銅…血液中のヘモグロビンがつくられるとき、鉄の利用を助ける。
✅吸収を妨げる成分
カフェイン、タンニン、ポリフェノール、フィチン酸、食物繊維 など
これらは鉄の吸収を妨げる一方、健康に役立つ成分でもあります。
過剰摂取せず、バランスの良い食事を心がけていれば特に気にする必要はありません。
なお、食品添加物として使われるリン酸塩や、アクの成分であるシュウ酸も鉄の吸収を妨げますので、とり過ぎには気をつけましょう。
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鉄分を豊富に含む食材を意識してとることはもちろん、鉄製の鍋やフライパンを使って調理すると、料理にわずかに鉄が溶け出して補給につながります。
ちょっとした工夫で、日々の鉄分摂取を助けてくれるので、ぜひ試してみてくださいね。
【参考文献】
日本人の食事摂取基準(2025年版)「ミネラル(微量ミネラル)」(厚生労働省)
『一生役立つ きちんとわかる栄養学』(西東社)
『栄養の基本がわかる図解事典』(成美堂出版)
『新しい栄養学と食のきほん事典』(西東社)
『いちばんわかりやすい栄養学の基本講座』(成美堂出版)

🍽️それでは、今回のレシピをご紹介します。
エネルギー311kcal 塩分0.2g(1人分)
–材料(3人分)–
新じゃがいも:2個
玉ねぎ:3個
ズッキーニ:1本
アスパラガス:3本
とうもろこし:1本
トマト:中2個
ミニトマト:10個
にんじん:1/3本
にんにく:2片
生姜:1片
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オリーブオイル:大さじ2
小麦粉:小さじ2
水:200ml
塩・こしょう:少々
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【A】
カレー粉:小さじ2
ターメリック:小さじ1
クミン(粉末):小さじ1
コリアンダー(粉末):小さじ1
–作り方–
- 新じゃがいもは皮ごと4つ割り、玉ねぎはみじん切り、ズッキーニは乱切り、アスパラガスは3cmくらいに切ります。ミニトマトはヘタを取っておきます。
- <sとうもろこしは包丁で実をそぎ落とします。トマトはざく切りに、にんじん、にんにく、生姜はすりおろします。</s
- 鍋にオリーブオイル大さじ1を温めます。じゃがいもとズッキーニを炒めて、火が通ったら取り出します。
- 同じ鍋にオリーブオイル大さじ1を足し、玉ねぎを焦がさないように炒めます。飴色になったら【A】を加えて炒めて、香りが出たら小麦粉を加えてさらに炒めます。
- “3”の野菜を戻し、”2″と水を加え入れて煮込みます。
- じゃがいもが軟らかくなったら、アスパラガスとミニトマトを加えて煮込み、塩、こしょうで味を整えます。